3月13日(日)礼拝説教全文

「主はあなたを癒す者」 出エジプト15:22~27

3月2日(水)から受難節がスタートしています。本日の聖書箇所からイスラエルの民は荒れ野への出発となります。

モーセの生涯は、エジプトでの王宮生活40年、ミデアンでの羊飼いの生活40年、出エジプト後荒野での40年で120年となります。紅海を渡り、いよいよこれから本格的な荒れ野(シナイ半島)への出発となります。

ただ、出エジプト記には40年の荒れ野での生活全部は書かれていません。エジプトを出てから2年までが書かれています。それまでは、これから向かうシナイ山の麓シナイの荒野に宿営します。そして、民数記9章からパランの荒野に出発します。40年の荒れ野での生活のほとんどは、民数記、申命記に書かれています。

紅海で大いなる主の御業を見、民は畏れ、主とその僕モーセを信じたイスラエルの民でありました。

又、その大いなる主に向かって賛美をささげたイスラエルの人々でありました。

彼らはシュルの荒野へと進みます。イスラエル一行は荒れ野を3日間進みます。

ところが、わずか3日目に約200万人の一行に危機が訪れます。たった、3日後です。

「飲み水が見つからない」という危機です。

荒野において「水源」は生命線です。モーセは40年間ミデアンとシナイ半島で羊飼いをしていましたので、おおよその水場は理解していたかも知れません。しかし、主は水のない場所を選んで導かれたのでしょうか。

エジプトからイスラエルに旅行をしました時に、バスの中で注意されましたのは、喉が渇かなくても定期的に水を飲んでください、というアナウンスが何度かありました。自覚がなくても脱水症状にならないように。それ程に荒れ野は乾燥地帯であることがわかります。

「飲み水が見つからない」中、マラ(苦い)に到着しました。ようやく水場を見つけます。主がここに導かれた、と感謝する時であったかというと、その水はどういう訳か、苦くて飲めないものでした。マラという地に到着したというよりも、苦くて飲めない水場であったので「マラ」とその地は後に呼ばれる様になりました。

イスラエルの民はモーセに向かって「何を飲んだら良いのですか」と言います。ここでは「不平を言った」と書かれています。この時からイスラエルの民にとって荒れ野での旅路はこの「不平」「つぶやき」の連続となります。

3日前までの救いの喜びと、主への賛美と信頼はどこに行ってしまったのでしょうか。

モーセは主に祈ります。

主はモーセに指示されます。

一本の木を示され、彼はそれを水に投げ込みます。すると、どうでしょう。苦い水は甘くなりました。

水の苦みと木の成分とでどのような化学変化が起こったのでしょうか。「苦い水」は「甘い水」に変化しました。イスラエルの人々は甘くなった水を飲みます。ここでイスラエルは一息をつきます。

主はモーセに「掟と「法」を示されます。…(これから先、主はご自身の民を導くために、シナイ山で様々な律法・祭儀、そして幕屋建設を語られます。)

主はその所、その場(マラ)で、モーセを「試みた(テストした)」とあります。これはこれからのモーセ、イスラエルの民の歩みの中でとても大切な内容です。

「もしあなたの神、主の声に必ず聞き従い

         主の目に適う正しいことを行い

         その戒めに耳を傾け

         その掟を全て守るならば」

というイスラエルの民に対する条件です。「そうするならば私は必ずこのことをあなたがたに行う」、と主は言われます。

「エジプトに下したあらゆる病いをあなたに下さない。」

エジプトに下したあらゆる病とは、神の裁き、疫病、腫れ物、その他の災いによる病です。

荒れ野を旅する中で、流行り病や病気になることは、とても厳しい状況になることが想像できます。

主は宣言されます「まことに私は主、あなたを癒す者である」(:26)。

主はあなたの病を癒す、癒し主です。

「苦い水」を「甘い水」に変えて下さる主。これをもって私たちは、主は私たちを癒すお方であることを知りたい。癒しとは良い方、良い状況へ変化することです。熱が下がり、痛みが取り除かれる、だるさ、倦怠感、重みが軽くなり、肉体が変化します。

「苦い水」を「甘い水」に変える主の癒しは完全で、肉体的、精神的、社会的、霊的、あらゆる面において癒し・回復を与えて下さいます。今も変わることがありません。

 この後、民はエリムへ進みます。エリムには泉が一二、なつめやしが七〇本あり、イスラエルはその水のほとりに宿営します。あと少し進んでこの場所に到着していたことがわかります。最初からこの場所に導いて下さったいたなら、とも私たちは思いますが、主はモーセを「試みて」とありますように、ここで主がモーセに、又イスラエルの民に大事なことを教えようとされていたことがわかります。

 主の声に聞き従い、その戒めを守り、主の御目に適う行いに生きる道は、いかに麗しいことでしょう。その者は、「主はあなたを癒すお方」であることを経験します。 

竹田広志's Ownd

千葉県八千代市勝田台7-27-11 電話 0474-84-5045 牧師 竹田広志

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