3月26日(日)礼拝説教全文

「幕屋と主の臨在」 出エジプト記40:17~38

本日で出エジプト記からの説教は最後となります。

次週から受難週に入ります。イエスの十字架の出来事の背景にありますのは、過越しの祭です。イスラエルの民がエジプトの奴隷生活から主の力強い腕によって救い出された歴史的な出来事は、彼らにとってどんなに大きなものであったでしょう。子々孫々語り伝えるべき出来事であり、どのようにして救われたのかと言うと、小羊の血によって救われたのでした。そして、これが「神である主は、今も私たちを救って下さる」ことの根拠であることを私たちは知ります。

私達も、イエスによって開かれた歴史的な救いの出来事を覚えます。イスラエルの民に起こった出来事と同じです。神の小羊イエス・キリストの十字架の血による贖いによって、罪の奴隷生活・死と暗闇から救い出されたのです。この救いを、子々孫々語り継ぐのです。

幕屋で具体的に行われた祭儀とは(:17~33)

大祭司、祭司が洗盤の水で手と足を洗います。

聖所でパンを主の前に供え、燭台に火をともします。

聖所の金の祭壇で、かぐわしい香をたきます。

焼き尽くすいけにえの祭壇で、動物のいけにえと穀物の供え物を献げます。

祭司が祭儀で行う内容には、手と足を洗う、パンを供える、燭台に火をともす、香をたく、動物と穀物を祭壇で焼き尽くす、があります。少し詳しくみていきますと、

・手を洗う

祭司は汚れた足で聖所に踏み入ることをせず、汚れた手で祭儀を行うことをしません。

主はモーセに燃える柴の前で「履物を脱ぎなさい。あなたの立っている土地は聖なる土地である」と言われました。(3:5)

土足で踏み入る、という言葉がありますが、他者の領域に無遠慮に立ち入ることを意味します。

「手を洗う」のも衛生的な意味というより、手洗いは神の前に出る儀式のひとつの行いです。

* 私は土曜日の夜は必ず、風呂に入ります。又、礼拝で着るシャツは、必ず洗い立てのものを着ます。

主の前に出る、神である主に対する心の持ち方です。

・共に食す

供えのパンは、安息日ごとに焼き立ての新しいパンが供えられ、取り下げられたパンは祭司が食べました。

(レビ24:5~9)

イエスが、「人はパンだけで生きる者ではなく、神の口から出る一つ一つの言葉によって生きる」「私は命のパンです」と言われたこと、パンを裂いて「これは私の体です」と最後の晩餐で弟子たちに配られたことを私たちは覚えています。

神は供えたパンや動物や穀物を食されるのではありませんが、共に食する会食のいけにえ(和解のいけにえ)の「食事」には、神である主が私たちと親しく、深く交わって下さるという宗教的な意味があります。

・灯火をともす

燭台に火をともし、夜の間は火をともし続ける

聖所の中を照らす燭台の明かり これは宿営を照らし続ける神である主の臨在の光

「神は言われた。『光あれ。』すると光があった。」

「私は世の光である」 「神は光であって少しの暗いところもない」

「神の灯火はまだ消えておらず、サムエルは神の箱が安置された主の宮で寝ていた」(サムエル記上3:3)

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・香をたく

香の祭壇で香をたく

聖所で毎日朝夕に、神である主が調合を指示された香料が焚かれます。

これは、絶え間なく神の前にささげられる、聖徒の祈りです。

・焼き尽くすいけにえ

焼き尽くす祭壇で、いけにえの動物と穀物を献げる

最も民が近くにいて献げられたもの

燔祭・素祭・酬恩祭・罪祭・愆祭、任職式の為の焼き尽くすいけにえ (レビ記1~9章)

「私は彼らの中に住む」と宣言されて作られた幕屋において、イスラエルの民は、祭司によって主の前に、様々な祭儀を行います。それは、神である主との交わりです。

安息日、年三回の祭り。週ごとにパンを供え、日々灯火をともし、香をたき、そして神の前にいけにえの動物と穀物を献げる。どれも、私たちの神である主との交わりです。

主の栄光(:34~38)

神である主が命じられた通りに幕屋は完成し、そこで命じられた通りに祭儀が執り行われます。

その時、会見の幕屋を雲が覆い、主の栄光が幕屋に満ちます。

「私は彼らの中に住む」と宣言される主。

モーセは幕屋の中に入ることができませんでした。幕屋の上に雲がとどまり、主の栄光が幕屋に満ちていたからです。

昼は雲の柱、夜は火の柱が幕屋の上にあり、イスラエルの民を導きます。

出エジプト記13:21~22に記されているように、これまでも、主の臨在はイスラエルの民と共にありましたが、これからは神である主の臨在は幕屋と共にあります。

主の栄光が幕屋に満ちます。

主の栄光が私たちの教会に世界中のキリストの教会に満ち溢れますように。

竹田広志's Ownd

千葉県八千代市勝田台7-27-11 電話 0474-84-5045 牧師 竹田広志

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