4月26日(日)礼拝説教全文
「種と畑」 マルコ4:1~20 (並行個所:マタイ13:1~9 ルカ8:4~8)
イエスの周りには、いつもおびただしい数の群衆が集まっていました。イエスの人気と評判は桁違いでした。時には何万人という人が集まっています。群衆が押し寄せるので、湖の上の舟に乗って話されました(:1、3:9)。
イエスのもとに集まる群衆、人々の動機やその心は様々であったでしょう。病、悪霊に悩まされてイエスに助けを求める人。奇跡を見るために興味本位で来た人。食べ物をもらい満腹するために来た人(5千人の給食以後)。ただ周りの人たちに付いて来た人、イエスを批判するために来た反対者。へりくだった心でイエスのみことばを慕い求めて来た人。
数年前、武道館でフランクリン・グラハム大会があり、そのお手伝いをしましたが、数万人の人々が集まっているのを見て、イエスのみもとに集まっているのだなと思いました。集まった人々の動機もそれぞれだったでしょう。ある人は誘われて渋々来ていたかも知れません。その後、世界各地で持たれている大会の様子を知り、他の国々では数十万の人々が集まっている様子も写真で見ました。
イエスのお話は、多くがたとえ話でした(:2)。当時の宗教指導者(パリサイ人、律法学者)は旧約聖書、口伝律法から神の戒めを守るように民を教えましたが、イエスは、自然や、身の回りの物、また生活の出来事を通して、自分で創作されたたとえ話で話されています。そして、「わたしのことばに聞き、わたしに従って来なさい」と力強く言われています。
種と4つの畑のたとえ話
種を蒔く人が種を蒔きます。
① 道端に種が落ちます。すると鳥が来て食べてしまいます。
② 岩地に種が落ちます。するとすぐに芽を出しますが、根を張れず、日が上ると枯れてしまいます。
③ いばらの中に種が落ちます。すると芽を出しますが、いばらが塞いで、実を結ぶに至りません。
④ 良い地に種が落ちます。すると芽を出し、育ち、実を結び、30倍、60倍、100倍になりました。
その意味は、
種とは、(神の)みことば(イエスのお話、聖書のことば)です。
畑とは、みことばを受け取る人の心です。
① 道端に種が落ちた人とは、すぐにサタンが来て、蒔かれたみことばを持ち去られる人の事です。最初からイエスのことばや教えには何の関心もない、受けつけないかたくなな人です。右の耳から声が入って、左の耳に抜けていく人です。
② 岩地に種が落ちた人とは、喜んでみことばを受けますが、時間がたつと喜びは薄くなっていき、みことばのために、困難・迫害が起こるとすぐにつまずく人です。人生に試練は無くなりません。試練によってイエスのもとを去って行く人がいます。しかし、本来みことばは、試練に打ち勝つ力を与えるものです。
コロナ感染で教会に行けない事は、大きな試練です。しかし、今日もみことばをしっかりと受け止めましょう。時に「つまずき」は、この世の災いのみならず、教会やキリスト者、牧師にということもあります。キリスト者は神の愛・恵みを表現すべき存在ですが、時に人を見ず、ただ神のみ、イエスのみに目を向けましょう。
③ いばらの中に種が落ちた人とは、みことばを聞いて信仰が芽生えますが、世の心遣い、富の惑わし、いろいろな欲望が入り込んでみことばを塞ぐ人です。忙しくて聖書を読む時間がありません。祈る時間がありません。賛美する時間がありません。礼拝に行く時間がありません。仕事・趣味・嗜好、生活の心遣いによって、イエスのみことばを聞き、従うことに心が向きません。本当に自分に大切なものは何なのか。優先順位が逆で、実を結ぶに至りません。
④ 良い地に種が落ちた人とは、みことばを聞いて受け入れ、多くの実を結ぶ人です。素直な心(反対:かたくなな心)、へりくだった心(反対:自己中心、高慢な心)、そして、耐え忍ぶ心(反対:あきらめ、絶望)。イエスの前に持つべき、この3つの心を覚えてください。
一番はへりくだった心、二番は素直な心、三番目には耐え忍ぶ心です。
* 三番目について。信仰生活は短距離走ではなく、持久走。早く走るのではなく、走り切る事が重要。
結び 結ぶ実とは何か
イエスのことばを、へりくだった心で信じ、受け入れた人はどのような実を結ぶでしょうか。仕事で成功するでしょうか。繁栄してお金・権力を得るでしょうか。心身共に健康になるでしょうか。それもあると思います。しかし、30倍、60倍、100倍に結ぶ多くの実は、一番は愛、そして喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制という実を次々に結びます。(「聖霊の実」ガラテヤ5:22.23)
愛(イエスの愛)という実が私達の人生に結ぶことは、何よりも大切です。なぜなら、「神は愛である」からです。(1ヨハネ4:7,8,16)
* 種の持つ力
1951年千葉県の遺跡で2000年前(弥生時代)の木の舟が発見されました。東京大学農学部の教授大賀一郎氏はそこに3つの種を見つけました。それを慎重に育てたところ、その種は綺麗なハスの花を咲かせました。「大賀ハス」と呼ばれ、千葉公園で見る事ができます。
2000年前の種ではあるが、大輪の花を咲かすことができたのはなぜか。種の中には命があるからです。そして、たとえ2000年前の種であっても、適切な場所に種は植えられると花を咲かせます。
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