5月10日(日)礼拝説教全文

「嵐を静めるイエス」  マルコ4:35~41

(並行箇所 マタイ8:23~27 ルカ8:22~25)

①  「向こう岸へ渡ろう」(:35~36) ひとりの人の救いの為に

 イエスは多くの群衆をあとに残して、ガリラヤからデカポリスへ向かいます。あまりに多くの群衆がイエスに押し寄せていたので、イエスは時に身を避けるようにして、寂しい場所へ向かいます。休む暇もなく、人々の求めにお応えになっていたと思われます。

ガリラヤ湖の向こう岸には何があったのでしょうか。次の5章を見ますと、ひとりのひどく悪霊につかれた人と出会い、彼を解放する為であったことが分かります。イエスのお心を考えましょう。

 イエスの宣教の方向性は、効率的ではない、最も困難な地、どうにもならない暗闇の地に向かっています。あそこには行かない方がいいですよと、人々が口を揃えて言いそうな地に向かって進まれるイエス。ひとりの人の救いの為に湖を渡ります。

②  経験したことのないような嵐(:37) 未曾有、想定外、甚大な、経験したことのない災害。

 ガリラヤ湖は弟子たち、特にペテロ、アンデレ、ヤコブ、ヨハネにとって、漁師である彼らの庭の様なものでした。しかし、その彼らが恐れる程の突風(マタイでは大暴風雨)が起こります。彼らが、そのガリラヤ湖にあっても未だ経験のしたことのない様な嵐でした。

 

* 私たちは今、私たちの人生においては誰も経験したことのない、世界規模の「嵐」に遭遇しています。

人の手によって解決のできないような課題であり、私達の経験や能力を越えています。「人生の海の嵐にもまれ来しこの身も」。抗うことの出来ない逆風・暴風雨の中にあって私たちはどうすれば良いのでしょうか。私達教会は、この新型コロナウイルス感染症の危機に対して、健康・経済・日常生活の危機に対して、共に取り組む「祈り手」となる必要があります。

② イエスは寝ておられた(:38)

暴風雨の大波に揺られても、起きることのない程に熟睡しておられた。いつも群衆に囲まれていたイエスがどんなに肉体的に疲れておられたかがわかります。

イエスは全き人です。弟子たちに無関心で寝ておられたわけではないと思います。限界まで、人々の為に働いておられたイエスのお姿を見ます。

③ つぶやく弟子たち(:38)

  どうにもならなくなった(漁師であった)彼らは、ついにイエスを起こしにかかります。「先生、私たち

  がおぼれて死にそうでも、何とも思われないのですか」。

  これはイエスへの信仰でも、信頼でもなく、どうして寝ているのですかというつぶやきのことばです。どうして神と共にいる私の人生にこのような事が起こるのですか、と私たちもつぶやきます。

あなたは助けて下さらないのですか。こんな場所へ私達を連れて来て、私たちをどうするおつもりです

か、のような言葉です。

旧約聖書においても、エジプトから解放されたイスラエルの民は、どうしてこんな荒野に連れて来たの

か、ここで飢えて死なす為なのかと、モーセにつぶやいています。神の人と共にいるイスラエルでさえ

そうです。

④ 嵐に一喝するイエス(:39)

  風、湖をしかりつけるイエスの姿があります。私たちの目に焼き付けましょう。

  イエスは、私たちの人生に打ちつける嵐に向かって「黙れ、静まれ」と宣言して下さるお方です。

  イエスの力強いことばに耳を傾けましょう。

すると風はやみ、大なぎになった。

⑤ どうしてそんなに怖がるのか(:40)

私たちは経験したことのない嵐に、恐れを抱きます。

「信仰がないのは、どうしたことです」。弟子たちにどのような信仰をイエスは望んでおられたのでし

ょうか。今コロナ禍の激流の中で、イエスは私たちにどのような信仰を求めておられるのでしょうか。

どうにもならない現実と目の前にある人生の大嵐の中で、嵐を静められるイエスが共にいて下さることを、私達は知りたい。怖がるのも無理はない。私達は弱い者、小さい者ですから。

しかし、この舟の中には、主イエスが乗っておられることを知る者でありたいのです。

私に吹き付ける嵐に、正面から御手を拡げて、「黙れ、静まれ」とおっしゃって下さる、主のお姿とお声を、今この時に聞きましょう。

先週は「神の国」についてのメッセージを聞きました。神の支配の領域は、風や湖その隅々にまで及びます。イエスに静めることのできない嵐はない! 嵐を静めるイエスは、私たちの嵐も静めて下さるお方であることを信じましょう。

⑥ 弟子たちは大きな恐怖に包まれた(:41)

「風や湖までが言うことをきくとは、いったいこの方はどういう方なのだろう!」驚嘆の言葉です。

 どのような災いの中にあっても、いついかなる嵐の時も、大事なのは、信仰と希望と愛です。信仰は平安を与え、希望は生きる力を与え、愛は隣人を生かす力を与えます。先行きの見えない嵐を見ておびえるよりも、嵐をお叱りになり、静めるイエスに信仰の目を注ぎましょう。

 

竹田広志's Ownd

千葉県八千代市勝田台7-27-11 電話 0474-84-5045 牧師 竹田広志

0コメント

  • 1000 / 1000